「まんがまつり」のカオス感

大東映の映画が好きです。

東映という会社自体には、別段いい思い出はないのですが、
作品は別であります。

東映作品が好きだったからという理由だけで(ウソ)、
一時期、撮影所のある大泉学園にも住んでました。
近所を意味なくウロウロしたり。

東映作品はよく「教育映画からポルノまで」と言われます。
つまり節操がない。何でも当たりそうなら作ります。
シリアスな作品にも、しょうもない笑いどころがあります。
何かしらのバカさと娯楽要素が。

かつ、ヤクザ映画の格闘シーンでは本気で殴り蹴る情け容赦なさ。
(それだけあそこの大部屋俳優はガチだった)
また、かつて日本の業界を牽引したアニメ部門における質の高さと「元祖」感。
戦隊シリーズに代表される「日本のTV特撮を引っ張った」自負。

そういうモノが全て味ですね。娯楽映画の味。
僕は好きが高じて、東映フライヤーズのユニフォームまで作ってもらっちゃったぐらいです。
 

今般「東映まんがまつり」が一部復刻販売されることになりまして、
上映会がありました。これは、まぁ説明するまでもなく、子供向け映画を
男女向けもジャンルも無関係に6本とかぶち込んで、ひたすら上映していた、
まぁマーケティングがどうとかいう今からしたら、乱暴この上ない話ですが、
子供向けイベントとしては結構な華だったと思います。いい時代です。

テレビで見るのとは、同じものでも違うんですよね。「映画体験」は。
 
諸々あって、まぁ行けないだろうと思って、ホントは諦めてたんですが、

まぁ、先輩が急遽券を譲ってくれたり、仕事がうまく終わったり、と
ラッキーがあって、行ってきました。

「最初から行けないと思うバカいるかよ!」と猪木も言いましたね(チト違う)。

……すごかったです。


マジンガーZつながりで、前座が水木一郎とももクロZで
そこでもう、ももクロファンが大騒ぎでしたけど、
そんな、本家なのにアウェー感の中で元祖「Z!」を何度もかます、アニキの迫力。

MC長いくせにろれつが回らない、という老化現象? が散見されたのは
多少は気になりますが、それでもキッチリ、であります。
うちの親父より年上なのに、ステージ上では、下手すれば孫世代の
ももクロとキッチリ絡んで見せるプロ根性、大したものでした。

僕はこの時点でもう、汗をかきすぎて、配布された復刻紙バイザーを
壊しちゃったワケですけどね(笑)
 

で、本編が始まれば、随所でフィルム経由でその兄貴の歌も聞こえてくるワケで、
37年の月日感覚が、もうどうかなってしまいます。

全く、この人とか、ささきいさお、子門正人、ヒデ夕樹……一部のジャンル歌手だけが
過去にはひたすらに引っ張ってきた「アニソン」ならぬ「まんが歌謡」ですが、
今でも現役なアニキの変わらなさ(声質)には驚くしかないですね。
 

そして映画本編。

1974年は、僕は生まれていないし、映画館に行くようになってからも
ドラえもん(東宝)派で、実は東映まんがまつりには行かなかったのですが
(自分の頃はキン肉マンとかだったと思います)、加齢とともに東映映画には
ハマっていきましたので、おっさんになった今、こういうイベントがあるのは
もうなんとも嬉しいモンです。トラウマ解消。

 

・たとえ子供映画でも三角マークに波しぶきドカーン! で『ゲッターロボ』の
TVブローアップ版から、上映開始。突っ込み所の多い作品で笑いが漏れます。
でも、面白い。

・『魔女っ子メグちゃん』のOPアニメのキレたセンスと、キャラ造形のよさは、
間違いなく今の「プリキュア」等につながる、東映動画少女ものの源流ですな。

・『イナズマンF』は、なんつうか、もはや東映一般映画の系譜でしたね。
陰影の付け方、アップの寄り方なんか、子供向けとは思えない。
ついでに言えばハードにも程がある話で、子供には難しすぎる(笑)。
いい時代だったと思います。
 

・『フィンガー5の大冒険』は、当時人気絶頂の和製ジャクソン5主演のアイドル映画で、
ライバル東宝の「チャンピオンまつり」でも映画化されてますが、あちらが要するに
彼らの沖縄凱旋公演を追った「元祖PV」な作りなのに対し、こちらは完璧な娯楽作です
(かなりテキトーなストーリーがあります)。実際にフィンガー5をプロデュースした
世志凡太が、全く面白くないコメディーリリーフで出て来るのも、ご愛嬌。

かつ「監督・石森章太郎」という触れ込みでして(実際は多分、戦隊職人の長石多加夫)、
スローに早回し、異常に激しいカットバックにドアップなど、要するにシネフィルな先生の
「やってみたかったカット」ばっかしが展開される、たいがいヒドイ作品。

先生の息子の小野寺兄弟(お金持ちの息子感満載)もカメオ出演で登場します。
ばかばかしくて好きですけどね。シュールです。
ももクロマニアの目には、37年前の「アイドル映画」はどう写りましたかねぇ?
今こういうの作ったらどうなるんだろな、とは思いました。
 

・『5人ライダー対キングダーク』。これも突っ込みどころは多いのですが、
大スクリーンで変身ベルトのビガビガー! が見られるのはド迫力ですな。
ライダーのスーツってこんなにピチピチしてなくて布っぽかったかしら、と
思いましたね。
 

・『マジンガーZ対暗黒大将軍』は、これまたすごかった。
今のあらゆるロボアニメの、本当に源流ですね。
鉄人はリモコンでしょ。人が乗るのはねぇ、コレですよ。
http://www.youtube.com/watch?v=HkKCuf3qT1o&list=FL88d2nEthszUU3AlORADaUQ&index=5&feature=plpp

とある乱暴なオチ(実は業界的には画期的な仕掛け)に導くために、
マジンガーZがメッチャクチャに痛めつけられるという、ちょっと凝った本編が
展開されていきますが、なんというかナァ、これでもリミテッドアニメではあるそうなのですが、
明らかに「ちゃんと動く」んですよ。劇場用新作への東映動画の意地として。

74年の低予算アニメでこの作画力って、大したものです。
兜甲児以下、人物の造形も破綻しない。アングルも凝っています。
大した面白かったですね。ヒロインの弓さやかってこんなに良かったかしら? とかもね(笑) 
スクリーンの魔術、ですね。
 

いやぁ、あまりのハイスパート、フルボリュームぶりにぐったりしましたが、
大変満足感がありました。オトナでこうなんですから、
当時のリアル子供達にとってはまさに大イベントだったでしょうね。
ドラ映画とかとはまた違う感じで。

今見ると名声優ばかりな、青二プロのキャスト独占ぶりや、
原作サイドの石森章太郎、永井豪の貢献度もハンパないですね。
 

70年代三角マークへ幻想が、また膨らんだ鑑賞体験でした。

 

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