『ガールズ&パンツァー 劇場版』

『ガールズ&パンツァー 劇場版』は、本当に、2015年の映画で言えば『マッドマックス』と双璧をなすレベルな、過激乗り物アクションであった。
 

多分「日本を舞台にした戦車の市街戦を、いかに合法的に120分通してぶちかますか」ということしか、作り手は考えていない。つまり、そのためになら美少女をたくさん出しましょう、人も死なないようにしましょう、協力してくれた大洗のことはもっとリアルに描写してあげましょう、という程度のことでしか、ない。

ネタバレはできない(実は、しようもない)のであらすじは省くが、書けと言われたら100字で書けると思う。それぐらい「お話」は単純。それもまた、「行って帰ってくるだけ」のマッドマックスと双璧。
 

話が単純なら何をするか。……戦車戦しかないワケであるが、これに全編尺のおそらく9/10をぶち込んでいるというメチャクチャ具合。TV版も良作だったが、観ていなくとも、キャラを知らずとも楽しめる(今日付き合ってくれた友人のT君がそうであった)。観ていればどういうキャラかは自然に解る。これもまた良作の証だ。
 

戦車の挙動のリアルさは、CGに懲りすぎて「1クールに2回落とした」前代未聞の伝説を持つTV版からの伝統だが、それ以上におったまげたのは、「音」であった。

「これが『劇場版』という付加価値か……」とつくづく思ったのだが「砲撃の音」のデカさが半端ないのである。ブラスの劇伴もガンガン鳴る。これは絶対に、映画館で「体感」しておいた方がいい。
 

とにかく、TVアニメが流行って作られた「劇場版アニメ」があまた世にあるとしても、全てが突き抜けて相当おかしな方向(褒め言葉)に作用した、奇跡的な作品だ。敵がやや無個性であるのを除けば、ほぼ不満はなく、「作り手がやりたいことをやり尽くして」いる。

これぞ「娯楽アクション映画」であろう。萌えコンテンツの衣をかぶった「何か」である。

 

Facebook Twitter More...
Comments

No comments yet.

Leave a comment