石ノ森ツアー(都内ごく一部)

今回は『石ノ森章太郎つながり』のお話。

友人K君に誘われ、東京ドームシティに行ってきました。我が同世代のお子さん連れお父さん方がいっぱいいる中、大きいお友達たちは動じる気配もありません。感じるものもありません。もう慣れましたw

ここには戦隊ショーの常打ち会場がありますが、そこではなく別会場で、今回はライダーの夏休みイベントだったのですナ。

歴代ライダーのスーツが並びすぎてて、アガりましたが、若干気持ち悪くもなる、という。そして節操なく戦隊もある。しかしまぁ、よくぞ続けたものです。

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そして……ヒーローショーをちゃんと客として見たのはガキの時分以来ですが、まぁ……最近のはすげぇ凝ってますね! メチャクチャ進歩してる。客いじりすらMC(ショッカー戦闘員のなりで登場)が格段に上手くなってるし、多分レーザー光線がポピュラーになったことが、演出を根本から変えたでしょうな。録音ボイスと生声を巧みに混ぜるPAも職人技です。

最近のライダーのフォームチェンジの多さも、立体的かつ逃げ場所の多いセットを上手く使ってクリア。殺陣もかなりすごい。昔と同じなのは、シメが「まったね~」(「さようなら~」ではないんスね。また会おう、また来てくれというニュアンスを強く出す)であったことだけでした。いやぁ、堪能してしまいました。
 

(追記)
後日、ショーのホンを書いてたのがもろにリアル知人であったと発覚し、そのシンクロニシティーに恐怖しました((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
マジで知らずに行ってまして……
 
 

さて、返す刀で、東京都現代美術館へ向かいます。
毎年夏休み好例のオタク向け企画展目当て。

去年まではずーっと日テレ/ジブリ主催でしたが、今年からNHKになりました。
「風立ちぬ」で、それどころじゃなかったんでしょうか。
 
『マンガのちから』
手塚×石ノ森の合わせ技展です。

手塚原画展というのは、たまに東京でもありますが、今回貴重なのは、石ノ森作品とのコラボ、という点ですな。

そもそも、石ノ森氏の原画展はほとんどなく、これまでは宮城の2ヶ所の記念館に行かにゃならなかったですからね。ボクは田舎がそっちだからひょーいと行けましたが、そんな身の上でなきゃ、なかなか行けないでしょう。

ちなみに、手塚記念館は当然、宝塚市にありますが、ここに行くのは逆に、どえらくハードルが高かった。行きたいと思ってから10年ぐらいかかりましたからね。

そういう意味でも、これはありがたい機会です。巡回展になるらしいので、お近くに来たら行ってみるのは一興でしょう。

今回面白いのは、間接的な師弟関係のようであった二人が、同じようなテーマをどう扱ったのか、という対比でもって展示を作ってることです。また、トキワ荘とかテレビとの親和性とか「共通項」についても見せてくれる。トキワ荘の外観模型や、手塚記念館にあったようなカプセルを使っての裏表でのマンガ展示は、よかったですね。

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ただ、まぁ……全てを「イイことだけ」にしてる気はしますね。手塚発行の雑誌『COM』に載った石ノ森の野心作『ジュン』は、展示でも非常に大きくフィーチャーされていますが、それを手塚が「けなしたことで生じた確執」とかには一切触れられていないワケで。

手塚は「嫉妬の人」なので、水木・白土ブームへの対抗で描かれた『どろろ』とか露骨なの以外にも、劇画にも、横山光輝にも、ありとあらゆるものを怨敵にして挑戦してきた漫画人生ですから、そこらを掘ればもっと面白かったはず。でもまぁ、それは無理なのかなw その「黒手塚」「手塚の挑んだライバル」に着目した展覧会があれば、これはかなり面白いでしょうねぇ。
 
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そんな展示の白眉は……

ドクロ帽こと松本零士氏宅からなぜか発見された、世紀の発見・手塚の未発表原稿(なぜそんなのがあるんでしょうかw)。そして、写真のももクロちゃんに代表されるような(なぜフランソワーズがいないんでしょうかw)、現役アーティストコラボの中にあった、水木しげる氏の2ページ漫画であります。

かつてパーティー会場で手塚&石森に「徹夜自慢」をされた水木サンが、ご長寿の今、それを思い出しながら「寝なかったからあの2人は早死にした」と回顧するオチ! の身も蓋もなさは、完全にメガトン級でありました。 
 
 

さてさて、そんな石ノ森ツアーには「最終到達地点」もあったのでありまして。

ラストに行ったのは、現代美術館からは徒歩圏内の「江東区森下文化センター」でした。
6年ぶりぐらいの訪問になりますかなぁ。美術館から合流の、ジモティーY氏の案内で迷わず行けました。

なぜ、ここに行ったか。「『漫画少年』とトキワ荘の時代」展をやってたからであります。

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手塚、石森と来りゃ『漫画少年』。『漫画少年』と言えばトキワ荘なワケで、トキワ荘マニアのソレガシとしては、こんな近くでやってる関連展示は外せませんでしたね。

もともと、森下文化センターは、かの田河水泡氏の地元だけに「記念室」があり(着ぐるみの「のらくろ」が部屋の前でぐったりしてる)、その弟子には永田竹丸氏(初期「新漫画党」メンバー。トキワ荘通い組。神保町は文房堂で仕入れたスクリーントーンを、日本で初めてマンガに使った人物)がいるので、期待できるのでは、と思っていましたが……
 

おったまげました。

手作り展示なので雑然としてはいますが、これが「タダ」だからとんでもない。先の手塚・石ノ森展が高いオゼゼを取るのと比べれば、下手すればこちらの方が中身は上かもしれないです。

展示品は、ほとんどが多分、永田氏の私物と見ますが、まず、とんでもない冊数『漫画少年』の現物がある(!)。こんなの、今まで見たことがありません。『まんが道』の中に出てきたアレが、すげぇ数そこに!

増刊号に至ってはその場で閲覧できる(!) 手が震えましたな。

もしこれが古本屋なら、えらいこっちゃであります。藤子不二雄のデビュー単行本もありまして、これも確か、相場100万円(!)は下らないはず。どうなってんだ。他にも生原稿あり、書簡あり……手塚・石森だけじゃないっすからね。前述の通り藤子も、赤塚も、その他もろもろの資料がゴッソリ。彼らの合作原稿とか、貴重すぎでしょ。
 

また、トキワ荘以前なら、系統的にはあらゆるルーツにあたる『少年倶楽部』関連の展示もちゃんとあり、また、トキワ荘以降の流れにおいても、初期『ガロ』もちゃんと展示してるし(大体にして、手塚発行の『COM』は『ガロ』へのカウンターであります)、これまた閲覧可能(!) 

まぁ……もし現代美術館に置いたらボロッボロにされるでしょうから、これまた小規模展示の魅力というところでしょう。
 

そして極めつけは……会場に、鈴木伸一氏(トキワ荘住人。のちアニメーター。ラーメン大好き小池さんのモデル)が来てたこと! これには本当に、オシッコチビりそうになりました。

多分、講演会か何かが終わったとこで、人に囲まれてたので近づけませんでしたが、期せずして、またリビングレジェンドのご尊顔を拝してしまった。トキワ荘メンバー原理主義者としては、「ヤベェ!!」以外の感想はありませんでしたね。
 

いや~。ここに流れてマジ良かったです。

なお、前回訪問時は全く気が付かなかったのですが、この施設、いわゆる「漫画誌に名を刻んだ」類の作品単行本を、図書館状態でほぼ網羅しており、多分、そのマンガ蔵書数は「無料開放」の施設では屈指ではないかと。で、読み放題。『はだしのゲン』も、どっかの自治体とは違って、当然、フル開架であります。タダの漫画喫茶みたいなもんですよ。これ、近所にあったら廃人になってるレベルです。色んな意味でヤバかったですね! ここは!!
 

充実の「石ノ森ツアー」でした。

 

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