『終戦のエンペラー』

良作でした。

マッカーサーが厚木に降りてから、この有名な
昭和天皇との写真(再現度がすごい)が撮られるまでの、
僅かな期間のドラマ、なのですが、多分、これは日本の戦争映画が
(敢えて)「やろうともしなかった」題材なんですよ。

993952_645414448802220_1459129632_n

『硫黄島からの手紙』の時も思ったんスが、どーして日本映画で
こういう歴史映画、作れねぇのかなぁ……ぶっちゃけ。
見渡す限り廃墟の東京の画、とか、超ロングショットで観たの、
劇映画では多分初めてですね、俺。

こんだけCGが発達してりゃ、すぐやれそうなもんだけど、
目を背けたいからなのか、やらなかったでしょ、これ。
そうこうしてると、洋画がやっちゃうんだな~。
 

お話です。

いつかは俺も大統領! と政治的野心を抱く最高司令官マッカーサーが日本に着任。
戦犯を逮捕して巣鴨プリズンにぶち込んでいきます。

ホワイトハウス側は、昭和天皇も戦犯として裁きたかったワケですが、
天皇を逮捕してネックハンギングにすると、多分占領政策上とんでもないことになる、と
うすうす感づいた彼氏は、日本人女性とも交際してた日本びいきの部下、
フェラーズ准将に「天皇に戦争責任は本当にあったんか調べろ」と命令。

201307090030000view

フェラーズは、そこから頑張って東條や近衛や木戸やなんかと会って、
更にはGHQと目と鼻の先にあっても「行くに行けない」皇居にも、
マッカーサーの一筆持って突撃し、リサーチを開始するワケでありました……。
 

あくまで内容は「広く浅く」なんですが、いやねぇ……政治マニアとか
戦後史マニアじゃねぇと、このあたりの話って、実は知らねぇでしょ。

そういう意味では、すごく勉強になるんですよ、これ。
再現度も相当高いので、タイムスリップしたような感覚になりますしね。

エピソードの中では、例えば「玉音盤(日本最高のレアレコード)をめぐる
皇居での銃撃戦(内ゲバ)」は、それだけで別の映画にもなってますけど、
多分、今や「何があったのか」知らない人の方が圧倒的多数じゃないですかね。

そうした知識を、端的につけてくれるんです。
けど、それを「アメリカ映画で学ぶ」というね。情けないなぁ!クーーッ!
 

あと、過去にアラカン先生の演じた明治天皇とかはありましたけど、
そもそも、誰も明治天皇なんか動いてる&喋ってるのを見たことはないワケでして、
どう演じようと勝手です。しかし、「昭和天皇を役者がきちっと演じた」作品も、
ちと記憶にないですね、ボクは。

まぁ、邦画だとオファー来ても多分ビビりますやね。
右翼に絡まれるとかで。
そこは洋画の強みですわ。

片岡孝太郎の昭和天皇、見事だったと思いますよ。
モノマネでは必ずある、あの「皆も……」という口調とか、完璧。
ラストは結構、本物らしく見えてブルってしまいました。

 
いろんな観点から楽しめる映画でしょう。

リアリティある戦争映画かもしれないし、
政争好きな奴なら政治家暗躍モノと見るかもしれないし、
あるいはマッカーサー伝かもしれないし、昭和天皇伝かもしれない。

多様な解釈ができますが、まぁ……リアリティある昭和20年を、
覗いてみようかと。本質はそういう映画かもしれません。

故・夏八木勲の関屋貞三郎(宮内次官)も、印象深いです。
奈良橋Pの祖父と聞いて、余計ビックリ、なんですけどね。

 

Facebook Twitter More...
Comments

No comments yet.

Leave a comment