『きっと、うまくいく』

新世代のマサラムービー、『きっと、うまくいく』

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インドの興収記録を塗り替えたこの映画は、笑いあり、
涙あり、考えさせるところはあり、と、ものすごい良作であった。

トーキョーではあったが、まさかのマサラシステム(客が騒いでもイイ)発動により、
3時間の上映後には拍手が巻き起こったほどだ。
むろん、その長さを感じさせないのは言うまでもない。

ご存知、教育を受けたエリートは超・頭のいい国なのが、インド。

エンジニアを目指し、工科大学でルームメイトになった、
落ちこぼれ二人と、型破りの大天才・ランチョーの、合わせて三人。

「きっと、うまくいーく」と言い聞かせる、魔法の言葉を持つランチョーは、
大いに二人を巻き込みながら新しい世界を開いて見せ、三人は固い友情で結ばれた。
 

……10年後、当時は落ちこぼれでも、今は幸福に自分の道を行く二人は、
あるキッカケで、行方不明になったランチョーを探す旅に出る。

ランチョーは、いずこ。なぜ、消えてしまったのか。
その旅の中で、二人は大学時代のメチャクチャな出来事の数々を
思い出していく……というものだ。

そりゃまぁ、キャラの配置などにベタなご都合主義な展開はある。
しかし、そもそもこれが「我らを楽しませる娯楽映画」だということを考えた時、
それは些細なこと。

むしろ、それによって生み出された芳醇な伏線を巧みに使う脚本術と、
ギャグと涙と青春ドラマ(+歌と踊り)が、渾然一体となって、
どれもすごいハイレベルにある、という演出術に唸るべきなのだ。

かつ、実は社会問題を織り込んでもいるのだが、そこがサラッとしていて
全く嫌味くさくはないのに、かなりビリビリ、効いてくるのだ。

まさに、インドカレーの味わい……。
 
 

去年の『ラ・ワン』で、
日本のSF映画はボリウッドに完全に負けたと思ったけど、
残念ながら、青春コメディでも、負けた。

いまだ『踊るマハラジャ』だけのイメージでいると(あれはあれでいい映画だが)、
とんでもないことになる。

……そう、例えば、ほんの15年前まで、ギョーカイ関係者すら
「韓国映画は日本に10年遅れてる」と揶揄してたのを小生は聞いている。
それが、どーなった、今?
インドもしかり。10年どころか30年は遅れてると思ってた人は多いはず。
それがどーだ。逆転されている。ガチなIT国家はバカにできない。
しかも映画大国として、そのジャンルが伸びる下地はあった。ぶっちゃけ、悔しいネ。

しかし、面白いものは仕方がない。いいものは仕方がない。
 
 
これは超イイ映画だから絶対、観ておくべし! とは言いたい。
ソレガシは体調まで良くなった。心が洗われたのである。

 

余話

「字幕監修」が、某M氏(最近あまりに使われすぎ&既視感バリバリになっちゃって、
まさに彼が大批判してた、戸田の奈っちゃんと同じループに入ってるやん……と
小生は思っていた)ではなく、まさかのいとうせいこう氏だったのには、驚いた!

だから……どうりで新鮮味があり、セリフのキレもいいはずなのである。

洋モノコメディ映画における(例えば『テッド』に代表される)
M氏監修モードの意訳に辟易していた向きは、
ぜひ、この映画を味わってもらいたい。
まだまだ、いろんな「向いてる人」が、いるじゃんねぇ……

閉鎖的な社会だよな~。映画字幕業界(というのがあるか知らないが)って。

 

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