ビックリ「シラット」 『ザ・レイド』

あれは半年ぐらい前かなぁ。フランスの某氏から
こんな話が降ってきたんですね。

「インドネシア製アクション映画『ザ・レイド』The Raidが、
どうかしてるので見たほうがいいですよ。
物語は、「マフィアに占拠されたビルを上れ!」だけ。最初から最後までアクションアクション。
フランス人観客は、凄まじさにもう笑うしか無い状態で、終わった時は拍手が起きてました。
敵役を、40半ばのちっこいおっさんが演じてますが、このヤヤン・ルヒアンという俳優が、
世界の格闘映画を次世代水準に持っていってしまいます。」
  

……そんなの、観るしかないでしょ!
 

で、日本でもようやく細々とですけど公開されたので、ソレガシは初日に行ったんですが、
過労で疲労困憊で行ったので、爆睡で何も覚えていないていたらく。

2週間後、マッサージを受け昼寝をしてコンディションを作り、小屋を変えて
(有楽町角川シネマって、椅子もいいし観やすいし、すっげぇいい小屋!
最初からこっちにすりゃよかった……)リトライした次第であります。
 

で、ビックリしました。確かに凄かったんす、ちゃんと見たら。

話なんてあってないようなもんで。ていうかこれはゲームでしょ。
「ファイナルファイト」でも「ダイナマイト刑事」でもいいんすが、
そこらをイメージすりゃ、いいです。
 

主人公はSWAT隊員。仲間がボコボコ殺される中、
ザコ敵を負けじと皆殺しにしていくんスけど、漫然と進むワケじゃない。

相手は銃も撃つし、ナイフもぶん回すので、そういう武器を奪い、
使いながらぶち殺しまくっていく。実戦的ですな。
 

で、ボス戦となって、ある仲間と伴に件のヤヤン・ルヒアン氏と
2対1での肉弾格闘戦になるのですが(ルヒアン氏……写真真ん中……が扮するは、
「銃で殺すなど美学がない」とする、要するにストーリー上都合のいい敵幹部)、

これがまぁ……早ぇ早ぇ! 
しかも、ダメージない感じのアクションじゃない。
もろに殴られる、蹴られる。
実に斬新な所であります

もうお互い、ボッコボコにやられまくります。
ところが、それでもなお動きが早い。
美学、じゃなくて、あくまで実戦的に見えるんだけど、早い。
ダメージ受けまくって痛そうなのに、早い。( ゚д゚)ポカーン
インドネシアのシラットという格闘術なんだそう。
恥ずかしながら自称格闘技マニアのくせして、知らなかったっス。
 
ヤヤン・ルヒアン氏の身体能力は、とんでもなかったすね。
これが40超えた人の動きだろうか。ありえねぇす。

実は主人公役の青年も、この「シラット」のマジな使い手で、
殺陣は2人で作っていったと聞いて、大納得ですよ。
やっぱり「モノホンの格闘家」が映画やると「肉体言語」が違うんだよなぁ。
これ、完全な低予算映画ですよ。けど、絶対そうは思えないです。凄みがあるから。
 

俺はそこでまた、あの麗しきJAC全盛期を思い出すワケでもありますが、
かつて日本でも、アクションのできる人達がスクリーンを席巻し、
素面でも人気があったイイ時代、というのがあったワケであります。

今、日本に「いいアクション映画」っつうモンが、全く、ひとつも、全然ないのは、
皆が優男や美少女のツラばかりを求めた弊害でありましょう。嘆かわしい。
映画の「美しさ」「すごさ」というものは、ルックスの良さだけではありません!
 

で、世界に目を向けますと、格闘映画が「別次元」に行く人材、というものが、
何年、何十年かに一度、出るんですな。

ブルース・リーが(すぐ死んじゃったけど)出て、ジャッキー・チェンやリー・リンチェイが
その流れを継いで。日本では当然、千葉チャンや倉田御大ですな。マジな格闘技マスターの人達。

で、その後ン十年。イイ作品は地味にあるものの、マジカンフーやマジ格闘映画が次第に廃れて、
ワイヤーアクションとCGばっかになっちゃった時、タイからトニー・ジャーが現れて
ステージをひとつ上げてくれましたわな。

あれから何年経ちますかね。そしてまた(ようやく)ひとつ上った、って感じですやね。
ありがたい話であります。

日本からはもう、本物のアクションスターは出ないんだろなー、と思うと、
ザンネン、ということに尽きるんですけどね……

 

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